TOPパターのロフト、ウェッジのバランス

 

パターのロフト、ウェッジのバランス


 

 パターにはロフトがないように見えるでしょうが、実際にはあります。

2度、もしくはそれ以上のロフトがあるのです。

  これは、グリーン上のゴルフボールが芝の中にほんの少し埋もれているからで す。

もちろん、芝は短いのですが、それでもボールは少しだけ沈んでいます。ボ

 ールをこの"巣"から出して、滑らかに転がすためには、ある程度のロフトが必要

 です。ロフトがないと、打った直後にボールが思わぬ方向に弾んでしまうから

 です。ボールをまっすぐ正確に転がすには、決してよい打ち出しではありませ

 ん。

   壊れたレコードのように、ロフトのことばかり何度も繰り返すのはいやなので

 すが、パターも自分に合ったロフトにすることが、パッティングにとって非常に

 重要です。パッティングの練習をして、パターのへッドがボールに当たった瞬間

 に、両手がどの位置にあったかを確認してください。インパクトの瞬間、両手が

 ボールより前にあったら、パターのロフトは5〜6度がいいでしょう。両手がボ

 ールと同じ位置にあった場合は、3〜4度。そして、めったにありませんが、両

 手がボールの後ろにあった場合は、1〜2度のロフトが適当です。

   もしロフトを変えたほうがパートナーに勝てると思うのであれば、やはりクラ

 ブメーカーの工房に行くべきです。パターの大部分はホ-ゼルを少し曲げればロ

 フトを調節できます。ホ-ゼルがなく、シャフトが直接ヘッドに繋がっているモ

デルであれば、シャフトを曲げます。実際、ビデオなどを使ってパッティングを

詳しく分析して、ストロークに合ったパターを作るために、最適なロフトやライ

角や長さを正確に測定してくれるクラブメーカーも現れ始めました。ゴルファー

なら、スコアに結びつくパターの重要性はわかっているはずです。それなのに、

どうしてパターの最適な長さやライ角やロフトを求めるのに時間をかけないの

か、私には不思議でなりません。

  その一方で、ウェッジは非常に多くの設計項目が組み合わさっており、と

にかく他のクラブとは全く異なります。アイアンと似ていますが、厳密には違う

物です。第一に、アイアンと違い、ウェッジは元々フルスウィングではなく、

様々なテクニックを用いて使うように設計されています。それがウェッジであり

     とても独特なのです。他のアイアンよりロフトが大きく、重量があります。

とりわけサンドウェッジ (sw)は「バンスソール」と呼ばれるソールがとても

特徴的です (図を参照)。

  swのソールを、他のアイアンのソールと比べてみてください。ボールにアド

レスする要領で、テープルの上にSWのソールを載せると、トレーリングエッジ

(後ろ側のエッジ)が先にテーブルに着き、リーディングエッジ (前側のエッジ) 

がテーブルから離れていることに気づくでしょう(図を参照)。これは「バン

ス」と呼ばれるソール角の特徴で、ヘッドが砂を深く掘りすぎて、ボールをバン

 

カーに残してしまうことを防ぎます。

ピッチングウェッジ(PW)を持ってバンカーに行き、5〜6回思いっきり振って

ボールを出してみてください。若かりし頃のセベ・バレステロスの腕がない限

り、悲惨な結果となり、ソールに十分なバンスがないウェッジを使ったときの様

子がわかるでしょう。たいていはPWが下に掘った落とし穴にボールがはまって

しまって、砂から出せないはずです。pwは芝で使うように設計されているので、

SW よりバンスが小さいのです。

SWのソールがボールの後ろや下の砂に切り込んでいったとき、バンスソール

だと砂の抵抗に合い、深く掘りすぎることがありません"パンスソールを飛行機

の昇降舵、砂を飛行機の尾翼が飛ぶ空気だと思ってください。バイロットは高

度を上げるとき、"リーディングエッジ'が"トレーリングエフ-ジより上にな

るように昇降舵を傾けます。その結果、尾翼がより提力を生み出して、飛行機

は上昇します。砂の中を飛ぶSWでも同じことが言えます。スウィングが傾き

すぎて、リーディングエッジがトレーリングエッジより下になり、SWがバンカ

ーで"急降下して墜落し、炎上"しない限りは……。

バンスソールの効果はソールの幅によって、増えもすれば減りもします。だか

ら、サンドショットでバンカーにボールを残してしまう癖のあるゴルファーに

は、ソール幅の広いswがお勧めです。幅広いソールはバンスの効果を高め、ボ

 一ル下の砂を掘りすぎずに、簡単にボールを上げて、バンカーから脱出させま

す。また、サンドショットが得意なゴルファーがソール幅の狭いウェッジを選ぶ

のも同じ理由からです。サンドショットが巧いゴルファーはウェッジが砂の下に

潜り込む深さをスウィングで調節できるので、掘りすぎを防ぐソール幅がそれほ

 ど必要ありません。様々なショットの条件に合ったウェッジの選び方に触れてお

 きましょう。

  多くのゴルファーは一貫性のないサンドショットに悩んでいます。直接ボール

を打ったり、砂のすくい方があまりにも少なかったりすると、打球がグリーンを

はるかにオーバーして、2打もよけいに打つ羽目になってしまうし、逆にボール

の下を掘りすぎると、ボールをバンカーから出せません。

   こうした失敗の主な原因が、正しいスウィング技術の欠如であるのは間違い

ありません。ボールがバンカーから出ないのは、SWを急角度にダウンスウィン

グしすぎて、ボールが砂に深く埋もれてしまうからです。また、リーディングエ

ッジでボールを打ってしまったり、ボールの後ろに十分な砂を入れられなかった

りするのは、たいていはゴルファーの手首が "折れて"前に曲がってしまい、ク

ラブヘッドがインパクトよりも早く、手の前を通りすぎてしまうからです。そう

すると、ヘッドが上向きになるのが早すぎて、リーディングエッ、ジでボールを打

ってしまうか、ボールに近すぎる所に砂を入れてしまって、ボールを思った以上

に遠くに飛ばしてしまいます。バンカーの難しさを克服する方法は有能な指導者

に教わるべきですが、ゴルファーの能力を引き出して、もう少し簡単にバンカー

ショットを打てるようになるウェッジがあります。

●ソール幅の広いswがいいでしょう。ソール幅が広いほど、ボール下を深く掘りません。

●バンス角がi2度以上あるsw も、ボール下を深く掘りません。

●バンス角を大きくしたうえにソール幅を広くすると、

  swの能力がさらに増大   されて、ボール下を掘りすぎることがありません。

●60度くらいのロフトがあるswを使うと、フェースが後ろに寝ますし、ボール

  下の砂の中を進むときの抵抗も少なくなります。加えて、急角度のダウンス

   ウィングがバンカーから脱出できない理由である場合は、ロフトが小さい55 

  〜56度のsw を使っていることが多く、それがボールを浮かせて出すことを阻

  んでいます。したがって、もっとロフトのあるsw を使うといいでしょう。

●スウィングウェイトが軽いと、ボール下の砂の中を走りやすくなります。一般

的なSWのスウィングウェイトは、平均D6です。D0のSWを使うと、スウィ

ングに勢いがついて、ボール下の砂の中を滑りやすくなります。

●プレーするバンカーの砂の固さを調べておきましょう。砂力が細かくて軽く、深

い場合は抵抗が少なく、swが砂を深く掘りすぎる傾向にあります。幅広いソ

ール、大きなバンス角、そして短いシャフトといった要素が、軽い砂でも深

く掘り下げるのを防ぎます。

砂のすくい方が少なすぎる場合は、SW力砂を深く掘りすぎる場合に上げた要

素と正反対のことに気をつけましょう。

●swのソール幅を狭くしましょう。ソール幅が狭くなるほど、ボール下の砂を

深く掘ります。

●バンス角が12度未満のswであれば、ボール下を十分に掘れます。

●バンス角を小さくしたうえにソール幅を狭くすると、swの能力をさらに増大

して、ボール下をさらに深く掘れます。

●プレーするバンカーの砂の固さを調べましょう。砂が粗くて浅い場合は、SW 

がボール下を通るときに、抵抗が強くなります。このような砂のときに、ソー

ル幅が砿かったり、バンス角が大きかったりするSWを使うと、それだけでシ

ョットが弱くなります。ソール幅が狭く、バンス角が小さくて、シャフトが短

く設計されたSWを使えば、粗くて浅い砂でも、もう少し深く入り込めるのです。

 

 

 

 

 

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